鈴木 昭男(Akio Suzuki)


 

 

胎内に潮騒を聴いたのは生ま出る以前の

夢だったか…

鼓動の中に浮遊していた頃への回帰

洞や室もしくは隧道に佇むとき 

懐かしさが込み上げて来る

              ----鈴木昭男

         



1941年、旧平壌生まれ。愛知県に引き揚げる。

1963年「階段に物を投げる」非公開イベント(名古屋駅中央線ホームの階段)によって音の世界に目覚め、自修イベントを展開するなかで、1970年に創作楽器のエコー・インスツルメント「ANALAPOS」などの制作を開始する。

1976年に東京・日本橋の南画廊で初個展。1978年、フェスティバル・ドートンヌ・パリ「間展」に出場以来「コンセプチュアル・サウンド・パフォーマンス」をジャパン・ハウス(ニューヨーク)などで展開する。

1987年には「ドクメンタ8」に出場。同年から1988年にかけて〈自然に一日耳を澄ます〉音のプロジェクト「日向ぼっこの空間」を、京都府下の子午線最北の地で遂行した。1994年、DAAD(ベルリン)の招きで渡欧後、音のインスタレーションを手掛け、「ソナムビエンテ・フェスティバル」で「点音(oto-date)」を発表。年には、ドイツのザールブリュッケン市立ギャラリーにて個展を開催したほか、ドナウエッシンゲン現代音楽祭へ参加。2003年には、大英博物館旧図書館にてパフォーマンス+インスタレーション「SOUNDSPHERE」を開催。2004年には「いざないの空間」を、フランス北東部ストラスブールのライン河岸公園に設置、パリのザツキン美術館で個展開催。2005年には和歌山県立近代美術館にて「点音 in 和歌山」、2006年には豊田市美術館の企画展「ガーデンズ」に参加し、新作インスタレーションを制作。2007年には京都国立近代美術館で二人展「ノイズレス・鈴木昭男+ロルフ・ユリウス展」を開催。

2008年夏、愛知県一宮市の三岸節子記念美術館での個展「点気 ki-date」において、美術館周辺の町の中に「点音」を展開。2012年秋には、岐阜県多治見市のながせ商店街の企画「音で多じ視る」において、「音点」とパフォーマンスを展開するなど、国内外の様々な企画で活躍している。

 

現在はダンサーの宮北裕美と『空っぽ「ぽんぽこりん』という、音とダンスのパフォーマンスを続けている。京丹後市在住。